なぜパズル道場は”道場“なのか。


こんにちは。伊與田塾南安城教室、塾長の伊與田です。
今回は、パズル道場について書きたいと思います。

学力を大きく2つに分けると、「知識的分野」と「感覚的分野」とすることができます。

パズル道場では、後者の感覚的分野を鍛えることになります。
感覚的分野をさらに分解すると、「イメージ化能力」と「仮設思考力」という力に分けることができます。

リンク:パズル道場

さて、この感覚的分野を育てるためには、特別な環境と、時間が必要です。
特別な環境とは、誰にもジャマされずに独力でチャレンジできる環境であり、自らが自らを鍛える場です。
時間については、いくらでも費やせばよいというわけではありません。適度な緊張と集中を実現できる、質の高い学びの時間が必要です。

感覚的分野_1

それぞれの生徒がそれぞれのレベルの課題に挑む

学校や、一般的な学習塾での授業をイメージしてみてください。そこでの授業では、限られた時間の中で決められた単元をこなさなければいけないという前提があります。そのため、じっくり考えたくても授業終了の時間がせまってきてしまって、先生が生徒に考えるのを中断させ、解説を始めてしまったり、他の生徒によって解答が示されてしまい、自分で解くプロセスを全うさせてくれないということが起きえます。

解説や答えを聞いたその授業の直後は、理解できているかもしれません。しかしそれは、うわっつらの理解である可能性があります。時間が経ってから同じような問題に取り組んだとき、「あれ?やっぱりわからないぞ?」ということになりかねません。そうなってしまう理由は、自分で問題を解き答えを検証するというプロセスを体験しきれていないからです。

感覚的分野_2

1つのパズルをクリアするのに3か月かかった事例も!

パズル道場の授業は、原則ヒントなしで、独力でパズルを進めていきます。スモールステップな難易度設定になっているので、最初はスラスラと進むことができます。しかし、いずれかのタイミングで、壁にあたることになります。これが、本当の意味でのパズル道場のスタートと言えます。

パズル道場で初めて壁にぶつかった子は、「わかりません。」「ヒントちょうだい!」と言ってしまうのですが、講師はヒントを与えたい衝動を抑えて、生徒さまに独力でパズルを解くように促します。生徒さまの様子を観察していると、とても悔しそうにしています。きっと学校では、スラスラ「できて」いたんだと思います。「できる」ことにこだわっているにとっては、「できない」時間帯が非常に不快なのでしょう。

この、「できない」時間帯こそがパズル道場において重要なものです。この時間、生徒さまは「あ~でもない、こーでもない」と頭をフル回転させています。パズルを解くための解法を頭の中に組み立てています。それが正解できるレベルに達したとき、「できた!」となるのです。

級が上がってくると、この時間帯を楽しめるようになってきます。ねばり強く考える態度が備わってきたということです(態度の学力がついた)。

感覚的分野_3

社会人になれば、何かを「できた」「達成した」瞬間よりも、「できない」「問題が解決しない」という、過程の時間のほうが圧倒的に長いはずです。それは、価値の高い大きな仕事ほど当てはまります。

できるだけ早く、「あ~でもない、こーでもない」と頭を使うねばり強さ、そしてそれを楽しめる態度の学力を身に着けることは、目先のテストや問題が「できる」ようになることよりも重要だと思います。

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