昨日7/7はアンフォーレにて特別授業を実施しました。種目は立体四目とカタンです。

立体四目,アンフォーレ

立体四目ならべ

今回のカタンははじめて海岸フレームの組み立てから開始し、全員の初期開拓地・街道を設置してから60分の制限時間でプレイしました。

カタン,カタンの開拓者たち,ボードゲーム

全員に成長が見られたポイント

プレイスピード

今回のプレイヤー人数は11人で3卓作り、全2回プレイしましたが、時間切れとなる卓はなく、全体的にプレイスピードが向上したことが見て取れます。プレイスピードを上げるには、自分の番の判断の速さだけでなく、自分以外の番にもあらかじめ自分の行動を考えておく必要があります。この部分は通常の授業の中でも意識付けしてきたところです。

同じゲームをしていても、思考時間が自分の番だけの子と、相手の番にも思考時間を稼いでいる子では、ゲームの結果だけでなく、ゲームを通じた経験値も違ってきます。

交渉のしかた

カタンでは自分が足りない資源を他プレイヤーとの交渉によって交換することができます。この交渉をスムーズに行えるかどうかはプレイスピードにも関わってきます。全体的に、自分が何を欲しがっているか、何を対価に渡せるかを上手に伝える技術が向上していました。

また、一部の子は誰がどの資源をもっているか見当付けながらプレイできていました。これは、他プレイヤーの動向にも気を配ることができているということで、そうでない子よりも持っている情報量が多くなるため有利になることができます。

 

一部の子に見られた成長

全員ではないですが一部の子のプレイを見ていると以下のレベルに達している子もいました。

勝ち筋を意識してプレイできる

やみくもに勝利ポイントを伸ばすのではなく、いかに10点取る(勝利する)かを意識できている。勝ち筋を考えていない子は、5~7点どまりとなり、あと数ポイント届かないというパターンが多いようです。その数ポイントが大きいんですけどね。

形勢判断ができる

全プレイヤーの現在の順位、勝利への近さを測ることができる。実は、カタンの形勢は単純に勝利ポイントでは測ることができません。それぞれのプレイヤーが持つ開拓地からの資源算出量や、最長交易路・最大騎士力への近さなども考慮に入れる必要があります。自分の領地だけ見ている子はそもそも他プレイヤーの形勢を見ようともしません。

感想戦を楽しめる

ゲームが終わったあとの感想戦を楽しめるかどうかも強さのバロメーターとなっていました。強くなってきた子は、積極的にゲームの振り返りをし、最初の開拓地の場所はどうだったか、街の発展のさせかたはどうだったかという点について語ることができます。逆になんとなくでプレイしている子は、勝敗や勝利ポイントにしか目がいかず、結果に至る過程を振り返ることが難しいようです。このあたりはまだまだ伸びしろがあるなと思いました。」

 

カタン,コミュニケーションゲーム,アンフォーレ

カタン

 

本物の学力、仕事力がわかる

私は、子どもたちがゲームをする様子を通じて素の学力や仕事がデキるかどうかを判断することができると思っています。すなわちゲームをするときの態度が学習態度や仕事のやり方に現れるということです。

たとえば同じ授業を受けていても、その態度によって習熟度は違ってきます。たとえば自主学習ノートを、「実力をつける・テストで正解できるようにする」という意識でやっているのか、ただ漫然と空白を埋める作業としてやっているのか。

自分の番以外にも思考を巡らすことは、状況の変化に対応しようとする態度でもあります。将来、自分の事情だけ考慮して仕事をするか、社会や同僚・取引先のことも考えて仕事するかでは、成果は違ってくるでしょう。

子どもたちには、わいわい楽しむのと同時に本物の学力や、社会に出てから必要となるスキルも高めてもらおうと思っています。