こんにちは。伊與田塾塾長 いよだです。

伊與田塾のマインドアクセラレータ(MA)の授業でこの6月から実施しているコミュニケーションゲーム、「カタンの開拓者たち」(以下、カタン)を紹介します!

カタンパッケージ

カタンとは

カタン島という無人島を舞台に、拠点となる開拓地(家)を建ててそこから島全体を開拓していきます。複数の対戦相手との開拓競争で、最初に勝利ポイントを10点(例:開拓地1点など)とった人が勝者となります。

具体的には、サイコロによって島から5種類の資源が算出されるので、その資源を元に次の開拓地を建てていきます。ですが、なかなか必要な資源が集まらないこともあります。時には対戦相手と協力して資源を獲得し、時には陣地の獲得競争を行うエキサイティングなゲームです! カタン島の支配者は一人だけ! 誰が勝者となるのか・・・

販売元 株式会社ジーピー公式サイトより

公式ビデオ(かんたん遊び方ガイド)

このゲーム、子どもだけではなく大人にも人気で、経営者や投資家に特に好まれているようです。毎年世界大会と、それに向けた日本予選(地方・全国)が開かれています。

終局図

授業への導入

かなり前から授業に導入したいと考えていたのですが、購入したはいいものの1年以上登場させることができないままでいました。覚えるルールが多いことと、1ゲームに1時間という長丁場のゲームであることがネックだったのです。

今回導入に踏み切ることができたのは、生徒たちがこれまでにさまざまなコミュニケーションゲームとの出会いを経験し、ある程度複雑なルールでも理解でき、ゲームの深い世界を探求する準備が整ったと感じたからです。

導入初回の授業では、予想どおり、通塾歴が長い子からは「おもしろそう」などポジティブな反応が返ってきました。

6月第1週の授業では、導入の準備としてカタンに登場する用語約30語を、マインドマップとイメージをつかう記憶法によって覚えてもらいました。そして次の週の授業で実際に説明書を読み、ゲームスタートという流れにしました。

もともと語彙力がある子、読解力がある子、ルールを積極的に理解しようとする態度を持つ子ほどルールの理解がはやくなります。ルールをいち早く理解することで、初回のゲームでは有利に働きます。逆に、ルールを理解できていないとゲーム中で損(不利益)をすることになります。

カタンで学べること

カタンで学べることは山ほどあります。とくに私がカタンで学んでほしいことをピックアップすると、以下のようになります。

・実戦的な計算力
・目的を達成するための道筋を立てる力
・先を見通す力
・他者の考え方を知ること
・他者の立場で考える力
・コミュニケーション力
・交渉力
・win-winの関係を築くこと
・投資の感覚(資源をためるだけでは意味がない)
・自分の運との向き合い方

※これらについては別の記事でくわしく書きたいと思います。

教育的空気感と場づくり

カタンに限らず、なんとなく遊ぶだけでは教育的効果はのぞめません。「授業」という場の中、多様なメンバーで、本気で取り組むことで、思考力が高まる経験となります。

また、独自のゲーム記録表を用いることで、ゲーム中の過程や指標を見える化することで、学びを得られるように工夫しています。

最初のうちは、講師が生徒の良いプレイにオーバーアクションでほめたり、各プレイヤーの情勢を確認するなどして生徒の視野をサポートします。