こんにちは!伊與田塾南安城教室、塾長のいよだです。

今回は、地頭を鍛えるマインドアクセラレータの授業で実施しているボードゲームを通じてクロスリーディング力」を鍛えることについてお伝えします。
安城,学習塾

クロスリーディングとは

クロスリーディングとは、複数の文章を横断的に読んで理解することです。横断的読解力といったところでしょうか。複数の文章から必要な情報や条件を取り出す力とも言えます。TOEICを受験した経験がある方は、後半の長文問題がまさにクロスリーディングです。

クロスリーディング問題

TOEICの長文のリーディング(読み)パートでは、1~3つ文章を読んで設問に答える問題が出題されます。それぞれの文章の内容はお店のチラシ、問い合わせメール、返信メールなどがあります。問題を解くための情報や条件が散りばめられており、単に「英単語を知っている」「文法を理解している」だけでなく、英語+読解力が試されます。(一部では英語の試験として不適切だという意見もあります)

理科や社会科の入試レベルのテストにおいても複数の文章や資料を読み解いて解答する問題が増える傾向のようです。中には適切に読むことさえできれば勉強をしてなくても解けるような問題もあります。

試験だけでなく、クロスリーディング力が求められる場面は人生のさまざまなシーンで登場します。

ボードゲームをつかった授業でクロスリーディング力をきたえる

クロスリーディング力(横断的読解力)を鍛えるには、初めて読む文章、散らばった情報や条件、それらを整理して処理することを求めるシチュエーションを用意することが必要です。そうです。「はじめてのボードゲームを遊ぶために説明書を読む」というシチュエーションは、まさにうってつけなのです。

ボードゲームの説明書は主に以下のような内容のまとまりに分かれています。

・ゲームの背景(ストーリーなど)
・ゲームの準備(ゲーム盤、コマなど)
・ゲームの進め方(プレイヤーがとれるアクションと効果、アクションできるタイミング条件など)
・勝利条件・終了条件・順位の決め方

クロスリーディング力は、「精読力」と「想像力」に分解できます。
精読力は漏れなく読む力と、文章の論理を正しく理解する力です。想像力は、文章中の情報や条件から何が起こるか予測する力です。ルールにしたがってプレイヤーがアクションをとったとき、他のプレイヤーやゲーム盤上にどのような影響を及ぼすのか想像するということです。
クロスリーディング力が高まれば、はじめてのゲームだとしても戦略や戦術を立てて挑むことができます。

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“授業”ならではのやりかた

伊與田塾のマインドアクセラレータの授業では、定期的に全員が「はじめて経験するボードゲーム」を導入します。
説明書はオリジナルのものを参考に漢字のルビは語彙の補足を行ったものを作成し使用します。

導入時の授業では、その説明書を渡して一定時間でルールを理解することを求めます。軽めのゲームで5分、”カタン”クラスのゲームでは15分ほど与えます。
質問は一定時間経過してから受け付けることにしています。時間が余った子には、こちらからルールについて質問するか、戦術を考える時間とします。

説明書を読み終わり、質問が出なくなれば早速ゲームに入ります。
初回のゲームでは、まずは「ルール違反をしないこと」が目標になります。ルール違反をした場合はその回数をカウントし、他の子に「どこをどう間違えたのか」「説明書のどこに書いてあったか」を確認していきます。

入塾したての子は、プレイの段階になって「○○がよくわからんかった」などと言う子がいます。これはまだ良い方で、説明書をろくに読まずに「はやくやろー!」と言い出す子もいます。その場合はゲーム内でをしてもらったり、質問タイムに質問することの重要性を説いてから解説します。

ルールを知らない者は損をする

生徒たちには同じ説明書という平等な情報源が与えられます。しかしその情報を正確に読み取り、利用する力の差はゲームの結果に現れてしまいます。当然のことながら、ルールを読み取れていない、理解していない子は遅れをとることになります。

例)
・ゲーム上の資源を得る条件を理解していない (ゲーム内での損失)
・条件付きで可能なアクションの条件を理解していない (ゲーム内での機会損失)
・勝利条件を理解していない (勝てるわけがない)

以上、マインドアクセラレータでのボードゲームを用いた授業の進めかたです。これは“授業”という体裁があるからできる(やりやすい)ことだと思っています。「全員がはじめて」という状況が少ない上に、説明書を人数分用意する必要があったりと、意外とハードルが高いのです。ちなみにボードゲーム会やボードゲームカフェなどでは、「ゲームのルールを理解する」ところまではインストラクターが行い、全員横一線スタートというのが一般的です。

マインドアクセラレータでのやりかたは一見不親切なように思えますが、初見のゲームを3つも経験するころには、説明書を読む態度や目つきから良い変化が現れます。必要に応じて質問をする、という能動性を高めることもできます。子どもは基本的に、ゲームに勝ちたいという気持ちがありますから自然と読もうとするモチベーションが湧いてくるのです。

いかがでしょうか。
今回はボードゲームを通じてクロスリーディング力をきたえることについて書きました。ボードゲームを思考力をきたえる授業として用いるメリットは他にもあるので、また別の機会に書いていきますね。


 

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